旅の丸寝の紐

草枕旅の丸寝の紐絶えば
我が手と付けろこれの針持し
          椋椅部弟女(万葉集 巻20 4444)

草を枕にする旅で服を着たまま寝るときに、もし着物の紐が切れたなら、

①自分の手でつけて下さいね、この針を持って
②私の手と思い付けて下さい、この針を持って


防人に行く夫の荷物に、裁縫具を入れる妻の歌。