有間皇子

磐代の浜松が枝を引き結び

真幸くあらばまた遷り見む


家にあれば笥に盛る飯を草枕

旅にしあれば椎の葉に盛る

          有間皇子万葉集 巻2 141・142)


磐代の浜の松の枝を引き結び、無事を祈る。

もし願いが通じ無事であったならば、また此処に戻りこの松を見よう。


家にいるときは茶碗に盛るご飯。

旅の身にある今、それを椎の葉に盛るのだ。







諦観の境地、といったところだろうか。