2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

旅の丸寝の紐

草枕旅の丸寝の紐絶えば 我が手と付けろこれの針持し 椋椅部弟女(万葉集 巻20 4444)草を枕にする旅で服を着たまま寝るときに、もし着物の紐が切れたなら、 ①自分の手でつけて下さいね、この針を持って ②私の手と思い付けて下さい、この針を持って 防人に行く…

月やあらぬ

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つはもとの身にして 業平朝臣(古今集 巻15(恋歌5)747)月は、そして春は、以前と同じで変わりない。 (しかし、そうした自然ではないのだから、人は変っていくものなのに、) 私の身一つは元通り、取り残されてしまっ…

『赤頭巾ちゃん気をつけて』庄司薫

図書館である本を探していたところ、偶々この背表紙に眼に止まり、そう言えば以前に奨められたことがあるなぁ・・・と思い、借りて読んだわけだが、何が面白いと言ってもやはりその巧みで、なおかつ軽妙な文体であり、知らぬ間にするすると(そう、実にするする…