2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

眉引き

振り放けて 三日月見れば一目見し 人の眉引き 思ほゆるかも 大伴家持(万葉集 巻6 994)はるか振り仰いで三日月を見れば ただ一度きり見たあの人の眉の形が思い出されることだ。

いづくにか

いづくにか我が宿りせむ高島の勝野の原にこの日暮れなば 高市黒人(万葉集 巻3 275)どこにわたしは宿ろうか、 高島の勝野の原で、この日が暮れてしまったら。

烏とふ 大をそ鳥のまさでにも 来まさぬ君をころくとそ鳴く 東歌(万葉集 巻14 3521)カラスという大まぬけな鳥が、本当にもおいでになるはずのない貴方が、来る来る(ころく=「児ろ来」)と鳴いている。 「ころく」は、「Coke(カーク)」のような発音か。 だと…

恋にもそ

恋にもそ 人は死にする水無瀬川 下ゆ我痩す 月に日に異に 笠女郎(万葉集 巻4 598)恋のために人は死にさえするのね。水無瀬川の見えない水のように私は瘦せ衰えてゆくわ。月ごと日ごとに。

挑戦者(チャレンジャー)

1、叩きつけるような雨音を立てて迫る風嵐吹き止まぬ中で進み行くのは誰? 「今が正念場だ」と口を揃えて言うけれど正念場は終わらない生きてる限りは終わらない 叩きつけるような雨音を立てて迫る風嵐吹き止まぬ中で進み行くのは誰? 2、風もない乾いた午…

大君は神

大君は神にしませば 天雲の雷の上にいほりせるかも 柿本人麻呂(万葉集 巻3 235)天皇は神でいらっしゃるので、雲の雷の上に庵を結んでおられるのだなぁ。