万葉集から。
白玉は 人に知らえず 知らずともよし
知らずとも 我し知れらば 知らずともよし
元興寺の僧(万葉集 巻6 1018)
真珠は人に知られない、しかし人が知らなくてもよい。
人が知らなくても、自分がその自分の値打ちをわかっているのならば、知らなくてもかまわないのだ。
世間の人の自分に対する無理解を「知らずともよし」と言っている法師。しかし本当のところはどうなのか。
出家してこんな強がりを言いながらも、なお心の奥底では人に理解されたいと思っていたのではなかろうか。
そんな気もする。