2010-04-14 紅と橡 和歌 万葉集 紅は うつろふものそ橡の なれにし衣に なほ及かめやも 大伴家持(万葉集 巻18 4109) 紅の花の染め物というのは、綺麗でも色褪せやすいもの。橡で染めた・着馴れた衣の方が、やはりいいものよ。 浮気相手の女を紅(くれない)で染めた衣服に、都の妻を橡(つるばみ:団栗)で染めた衣服に譬えて、部下の浮気な恋を窘める歌だったかと思う。 見事な比喩。