さし焼かむ

さし焼かむ 小屋の醜屋に かき棄てむ 破れ薦を敷きて うち折らむ 醜の醜手を さし交へて 寝らむ君ゆゑ あかねさす 昼はしみらに ぬばたまの 夜はすがらに この床の ひしと鳴るまで 嘆きつるかも

 

          詠み人知らず(万葉集 巻13 3270)

 

燃やしてやりたい小さなぼろ屋に、

捨ててやりたい破れ薦を敷いて、

へし折ってやりたい汚い手枕を交わして、

共に寝るあなたを思い、

あかねさす昼は昼じゅう、ぬばたまの夜は夜じゅう、

この床がひしひしと鳴るまで嘆いている。

H30-2

検定名 :漢検
検定日 :平成30年度第2回10月14日
会場番号:1944464
受検番号:100002
受検級 :1級
判定 :合格まであと45点です。

前回30-1から、3点アップの115点。問題が少し難しくなったと思うので、こんなものか。
次回はもっと大幅にアップできるよう、修行に励みます。

杜鵑

ほととぎす 間しまし置け

汝が鳴けば 我が思ふ心 いたもすべなし

          中臣宅守万葉集 巻15 3785)

ほととぎすよ。少し間を置いて鳴いてくれ。
お前が鳴くと、私の恋心が全くどうしようもなくなるのだ。

山のしづくに

あしひきの 山のしづくに 妹待つと 我立ち濡れぬ

山のしづくに

          大津皇子万葉集 巻2 107)

山のしずくに貴方を待って立ち濡れてしまいました。
山のしずくに。

姫百合の恋

夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の

知らえぬ恋は 苦しきものそ

          大伴坂上郎女万葉集 巻8 1500)

夏の野に生い茂る繁みの中で咲く姫百合みたいに

誰にも知ってもらえない恋は苦しいものよ。