人にしられぬ花

三輪山をしかもかくすか春霞

人にしられぬ花やさくらむ

          紀貫之古今集 巻2(春下) 94)


三輪山を、そのようにも隠すのか、春霞よ。

人に知られぬ花が咲いているのだろうか。






人が全てを知っている世界というのは、きっとつまらないものではないかと思う。

知らないことを、知らないこととして認め、新たに知ることで、発見や喜びが生まれるのではないか。