狭野のわたりに

苦しくも降りくる雨か三輪の崎

狭野のわたりに家もあらなくに

          長忌寸奥麿(万葉集 巻3 267)


困ったことに、雨が降ってくることだよ。

三輪の崎の狭野の渡し場には、雨宿りしようとも家1軒もないのに。


小・中学校に通っていた時分の教科書等を処分しようと思い、古いノートをパラパラと捲っていた中に見つけた。
「駒止めて」の歌の本歌として、軽く触れられた程度ではあるが。


旅のさなかで雨に遭って困った気持が詠まれている。