くたに

散りぬれば後はあくたになる花を

思ひ知らずもまどふてふかな

          僧正遍照古今集 巻10(物名) 435)

散ってしまえばその後はごみになってしまう、「くたに」※の花。

そうと理解せず、①飛び回る蝶の姿よ。

          ②花に夢中になるということだ。


※「くたに」は、植物の名。リンドウ、或いはボタンの別名か。




同じ日本語とはいえ、千年を超える時が流れているのだ、そう簡単に理解できるはずもない。

国語教育の中でも、ただただ「これは完了の助動詞の連用形」というような品詞分解の連続ではなくて、

たまには、このような曖昧な所を採り上げてみたら面白いのではないか、と思う。